ロゼワインとは?その特徴と製法を解説

 華やかなピンク色と、爽やかで親しみやすい味わいが魅力のロゼワイン。見た目から軽やかな印象のあるロゼですが、実は甘口から辛口まで幅広いスタイルがあり、製法の違いによって見た目や風味に個性が生まれます。今回は、ロゼワインの特徴から製法による違い、そしてより楽しむための方法を紹介します。また、異なる製法でつくられたおすすめの日本ワインも取り上げています。

目次

ロゼワインってどんなワイン?

「ロゼワイン」 という名前は、ワインの色合いに由来しています。「ロゼ(rosé)」 はフランス語でバラ色を意味し、その名の通り、淡いピンクから赤みを帯びた濃いピンクまで、ピンク色のワインを総称して「ロゼワイン」と呼びます。見た目の可愛らしさから、甘い味や低アルコールだと想像されがちですが、アルコール度数は赤・白ワインと同じく11〜14%程度で、そのスタイルも甘口から辛口までさまざまです。ドライな味わいのものが主流で、食中酒として親しまれています。

白ワインよりコクと複雑な風味があり、赤ワインより軽やかな飲み口なのが特徴で、ジャンルを問わずさまざまな食事に寄り添えるのも魅力のひとつ。和食はもちろん、イタリアンや中華、エスニック料理など、さまざまなジャンルの食事を楽しむ日本人のライフスタイルにもぴったりのワインです。

ロゼワインの瓶が透明な理由

ロゼワインは、その美しい色合いも魅力のひとつです。ロゼワインの多くは、優美なピンク色が映える透明なガラスボトルに詰められており、視覚的にも楽しむことができます。通常、ワインボトルには緑色や茶色などの色つきのものが使われますが、これは紫外線を遮り、長期熟成に耐えるようワインを保護するためです。一方で、ロゼワインはフレッシュな果実味や軽やかな酸を生かす早飲みタイプが多く、熟成を前提としないため透明ボトルが使われます。

ロゼワインの製法

ロゼワインには、濃い赤みを帯びたピンクから透明感のある薄いピンク色まで様々ありますが、それはロゼワインの製法も複数あるからです。ロゼワインの製造方法は主に3つで、「セニエ法」「直接圧搾法」、そして「混醸法」です。

ロゼワインの作り方① セニエ法

セニエ法は、赤ワイン用の品種である黒ブドウを使って赤ワインの醸造方法で作られる、ロゼワインの製法として最も一般的な方法です。ブドウの果汁を発酵前に短時間だけ果皮と接触させ、ほんのりと色づいた果汁のみを抜き取って発酵させ仕上げます。セニエ法は他の製法と比べてブドウの果皮と接する時間が長いため、ピンク色がやや濃くフルーティーでしっかりとした風味が特徴です。

セニエ(Saignée)は、フランス語では「血抜き」を意味します。元々、セニエ法は赤ワインを作る際の工程で、発酵途中に液体部分を少しだけ抜く作業でした。その抜き取られた果汁を発酵させた副産物がロゼワインでしたが、現在はロゼワインを作ることを目的に行われることがほとんどです。

<セニエ法で仕立てたおすすめの日本ワイン>

● くらむぼんロゼ

化学農薬や化学肥料を使わず、自然農法で育てたブドウを使用。日本固有品種「マスカット・ベーリーA」をセニエ法で丁寧に仕立てた、こだわりのロゼワインです。野生酵母で発酵させており、やさしい飲み口ながら味わいはしっかりとした辛口。和洋を問わず幅広い料理に合わせやすい、万能タイプの一本です。毎日の家庭料理と一緒に楽しみたくなるような親しみやすさがあります。

くらむぼんロゼ

くらむぼんロゼ

(くらむぼんワイン/山梨県)

1,990円(税込)

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軽やかな飲み口の辛口で、昼飲みや夕方から軽くつまみたい時にもってこいの1本

● メルロロゼ

長野県塩尻市・松本盆地に広がる片丘地区。名醸地として知られるこの地で、丁寧に育てられたメルロを100%使用し、造り上げた極辛口のロゼワインです。バラを思わせる華やかな香りに、フレッシュな果実味。そこにふくよかさと奥行きが加わり、スモーキーな樽香が全体を引き締めます。ほどよいボリューム感に、わずかに感じるスパイシーな刺激がアクセントとなり、冷やして楽しむのにぴったり。ロゼ好きな方はもちろん、ロゼにあまり馴染みのない方にも試していただきたい、飲みごたえ抜群の1本です。

メルロロゼ

メルロロゼ

(ドメーヌコーセイ/長野県)

2,970円(税込)

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メルロ品種100%の極辛口ロゼワイン。バラのような香り、フレッシュな果実味にふくよかさと奥行きの感じられる味わい

ロゼワインの作り方② 直接圧搾法

直接圧搾法は、セニエ法と同じく黒ブドウを使用しますが、白ワインの製法を応用してロゼワインを作る方法です。黒ブドウを破砕・圧搾した後、果皮を取り除き果汁のみを発酵させます。圧搾する際に果皮からわずかに色素(アントシアニン)が抽出されることで淡い色調に仕上がります。この製法で造られたロゼワインは、繊細で軽やかな味わいが特徴。フレッシュな酸味と香りが際立ち、爽やかで飲みやすいスタイルが魅力です。

<直接圧搾法で仕立てたおすすめの日本ワイン>

● ピノノワールロゼ

ワイナリー所有の畑で丁寧に育てられたピノ・ノワールを100%使用した、辛口ロゼワイン。果皮を一晩漬け込んでからプレスすることで、美しいオレンジピンクの色合いが引き出されています。イチゴやチェリーを思わせるフルーティーな香りに、心地よい酸味と確かな骨格が調和。トンカツのようなボリューミーな主菜からサンドウィッチなどの軽食まで、幅広いペアリングに対応します。ラベルエチケットはオーナー・玉村さん作。味わいだけでなく見た目にも心が弾む一本は、ご自宅用にはもちろんギフトにもおすすめです。

ピノノワールロゼ

(ヴィラデストガーデンファームアンドワイナリー/長野県)

3,950円(税込)

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ピノノワール品種100%の辛口ロゼ。酸味が穏やかでしっかりと芯の通った味わい

ロゼワインの作り方③ 混醸法

混醸法は、黒ブドウと白ブドウを混ぜて果汁を取り、発酵させる方法です。製造プロセスは赤ワインに似ていますが、異なる種類のブドウを組み合わせることで、独特の色合いや風味が生まれます。

<混醸法で仕立てたおすすめの日本ワイン>

● ヴー ロゼ

自社畑で育てたピノ・ノワールを主体に、牧丘グルペット農園のソーヴィニョン・ブランと甲州をブレンドした、辛口タイプのロゼワインです。ローズヒップやアプリコット、アーモンドを思わせるやさしい香りに、ほんのり甘さを感じるまろやかな口当たり。そこに黒ブドウのふくよかさと穏やかな酸味が重なり、スターフルーツやアロエのような爽やかな香りが後味に広がります。余韻にはドライアプリコットのようなやさしい風味も。黒ブドウの比率が高く、厚みのある赤ワイン寄りの味わいは豚肉との相性がよく、辛味や酸味の効いたテイストにもよく馴染みます。

ヴー ロゼ

(旭洋酒/山梨県)

2,790円(税込)

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ローズヒップやアプリコット、アーモンドの透明感ある香りと赤ワインのような深み

 

上記の3つの方法以外に、フランス・シャンパーニュ地方で作られるロゼ・シャンパーニュのみに使われる、「ブレンド法(アッサンブラージュ)」があります。この方法では白ワインに少量の赤ワインを加えることで、繊細な色合いと複雑な味わいが生まれます。

ロゼワインのおすすめの楽しみ方

● しっかりと冷やす
ロゼワインは冷やして飲むのが定番ですが、適温はワインのタイプによって異なります。辛口は8〜12度、甘口は6〜10度、スパークリングは5〜8度が目安です。冷やしすぎると香りを感じにくくなるため、飲む直前に少し温度を戻すとアロマや味わいの広がりをより豊かに感じることができます。

● 小ぶりなグラスを使う
ロゼワインは赤ワインと白ワインの中間的なスタイルを持つため、グラスは白・赤どちらの特性にも対応しているユニバーサルグラスがおすすめです。また、温度上昇を防ぐために、ボウル部分がやや小ぶりなものを選ぶと、冷やした状態を保ちやすくなります。スパークリングタイプのロゼを楽しむ場合は、フルートグラスがおすすめ。泡が美しく立ち上がり、視覚的にも華やかな印象を演出してくれます。

● アウトドアシーンで開放感を楽しむ
本場フランスでは、ロゼワインは夏のバカンスに欠かせない存在。家族や友人と集まる開放的な時間の中で、気軽に楽しむお酒として親しまれています。日本でも同じように、お花見やBBQなど、春〜夏の季節にかけてみんなで集まるアウトドアシーンで楽しんでみて下さい。気取らずカジュアルに楽しめるロゼワインは、開放感あふれるひとときを華やかに彩ってくれるでしょう。

● カクテルにして楽しむ
華やかな見た目のロゼワインは、カクテルにアレンジするのもおすすめ。お酒があまり得意でない方や、気軽に楽しみたいシーンにはぴったりです。ロゼワインをグレープフルーツジュースで割った「ロゼ・パンプルムース」はほんのりとした苦味が加わり、食前酒として最適です。また、ロゼワインにオレンジジュース、グレナデンシロップ、オレンジリキュールを加えて作る「ロゼワイン・クーラー」は、フルーティーで甘やかな味わいが楽しめる一杯。こちらは食後のデザート代わりにもおすすめです。

ロゼワインとペアリング

ロゼワインは、白ワインの軽やかさと赤ワインのコクを兼ね備えた、汎用性が高く懐の広いワインです。ペアリングに迷ったときにも選びやすく、幅広い料理に寄り添ってくれる存在です。和食はもちろん、中華やエスニックなど、ワインと合わせにくいとされる料理とも相性がよいとされています。ニンニクやハーブを利かせたメニューにもなじみます。

甘口のロゼワインには、生ハムやチーズなどの塩味のあるおつまみや、フルーツやスイーツといった甘いものがよく合います。辛口のロゼワインは色調に合わせ、淡いピンクなら魚介やだしの効いた料理に、濃いピンクなら肉料理やコクのある味付けの料理に合わせるのがおすすめです。

 

当店では「食事に寄り添う」をコンセプトに、辛口のロゼワインを中心に取り揃えております。軽やかでフルーティな味わいは、さまざまな料理やシーンにすっと馴染み、気軽に楽しんでいただけます。どんな食卓にもそっと寄り添ってくれる、そんなロゼワインの魅力をぜひこの機会に体感してみてください。  ▶ロゼワインの一覧はこちらから

「日本ワイン店 じゃん」では、全国のつくり手を訪問し厳選した100種類以上の日本ワインを取り扱っています。角打ち営業では、旬の食材と和の調味料を使った料理とのマリアージュもお楽しみ頂けます。日本中を旅するようにこのワインからあのワインへ、人に教えたくなるマリアージュの発見と、共感と感動を分かち合う仲間が出来るはず!ぜひお気軽にお越しください。


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