
ワインビネガーとは?その特徴や使い方を解説
ワインビネガーはワインを発酵・熟成させて作られる風味豊かなお酢です。古代から使われてきたこの調味料は、フルーティーで爽やかな酸味と
ワイン特有の香りが特徴で、料理に奥行きを与えてくれます。同じくブドウから作られるバルサミコ酢とは特徴が異なるので、使い分けがおすすめです。
今回は、ワインビネガーとはどんな調味料なのか、その特徴や作り方、代用方法、バルサミコ酢との違い、さらにおすすめレシピを紹介します。
目次
ワインビネガーとは?
ワインビネガーは、ワインから作られるお酢です。ワインはブドウを発酵させて作られますが、発酵がさらに進みアルコールが酢酸に変わることで
ワインビネガーが生まれます。ワインの特徴や風味は残しつつ、酢特有の酸味や深みが加わった調味料として料理に豊かな風味をプラスしてくれます。
「ビネガー」という言葉は、フランス語の「ヴィネーグル(vinaigre)」に由来しています。これは、「vin(ワイン)」と「aigre(酸味のある)」を
組み合わせた語で「酸っぱいワイン」という意味を持っています。
ワインビネガーの起源
古代ローマやギリシャの文献には、ワインビネガーの前身であるワイン酢に関する記録が既に存在しています。これらの文献からは、ワイン酢は自然な発酵によって偶然生まれ、調味料や保存食品として広く使用されていたことがわかります。
当時、ワインの醸造や保存に使用されていた陶器やアンフォラ(大型の土器)は、微生物が生息しやすい環境だったと考えられています。そのような微生物が豊富な環境で保存していたワインは自然と発酵し、その酸味が強くなったワインを調味料として利用するようになったとされています。
ワインビネガーは「果実酢」の一種
酢は「果実酢」と「穀物酢」の2種類にわけられます。
ワインビネガーはブドウを発酵させた「果実酢」です。他の果実酢には、リンゴから作られるリンゴ酢や、ワインビネガーと同じくブドウから作られるバルサミコ酢やシェリービネガーなどがあります。果実酢はフルーティーで自然な甘みと酸味が特徴で、風味は原料の果物によって異なります。飲料として飲むのもおすすめです。
一方、穀物酢は穀物を主原料としています。米酢や米酢を発酵させた黒酢、モルトビネガーがこれにあたります。穀物酢は比較的まろやかな酸味で
クセが少ないため、料理に幅広く利用されています。
酢と一言でいってもたくさん種類があり、日本で酢と言えば米酢や穀物酢を指しますが、フランスでは一般的にワインビネガーが思い浮かべられます。
ワイン産地として有名なフランスは、その豊かなワイン文化からワインビネガーも広く利用されており、食卓に欠かせない調味料になっています。
ワインビネガーの作り方
ワインビネガーは、ワインを酢酸発酵させて作られています。ワインと同様、ワインビネガーも微生物の作用を利用した発酵プロセスによって生まれます。
1.酵母発酵
まずワイン酵母を使ってアルコール発酵を行います。この段階では、ブドウ果汁からアルコールを含むワインに変わります。
2.酢酸発酵
次に、ワインに酢酸菌を加えて酢酸発酵を促します。この過程でアルコールが酸化して酢酸に変わります。
酢酸発酵は、酸や微生物に対して耐性がある木樽やステンレスタンクで行われます。
発酵中は温度や酸素供給の管理が重要です。酢酸菌は酸素を必要とするため、タンクには蓋をせず適度な酸素を流入させます。
発酵期間は、種類や求める風味によって異なりますが、数週間から数か月程度かかります。
3.熟成
酢酸発酵完了後は一定期間熟成させます。熟成により、風味がまろやかになり深みが増します。
4.濾過して瓶詰め
熟成させたワインビネガーを濾過して澱を取り除くと、澄んだ液体が得られます。最後に瓶に詰めて完成です。
このようにしてワインビネガーは製造され、豊かな風味と香りを持つ調味料として私たちの食卓に届けられます。
ワインビネガーにアルコールは含まれている?
ワインから作られているならアルコールが含まれているのでは?と疑問に思う方もいるかもしれません。
結論からいうと、ワインビネガーにはアルコールはほとんど含まれていません。
ワインが酢酸発酵を経てワインビネガーになる過程で、アルコールは酢酸に変わります。そのため、最終的にアルコール分はほとんど残りません。
さらに加熱して使用すると、残留アルコールがほとんど蒸発するため、心配する必要はないでしょう。
バルサミコ酢との違いは?
ワインビネガーとバルサミコ酢はどちらもブドウを原料とした果実酢です。しかし、発祥地や製造方法、味の特徴に違いがあります。
● 発祥地
ワインビネガーはフランス発祥ですが、バルサミコ酢の発祥地はイタリアのエミリア・ロマーニャ州です。その歴史は1000年以上前に遡り、貴族や王族の間で珍重され、贈答品としても用いられていました。現在ではポピュラーな調味料の一つとして、イタリアの食卓のみならず世界中で愛されています。
「バルサミコ」はラテン語で「芳香のある」「薬効のある」という意味があります。
長期間にわたって熟成され、深い香りと複雑な味わいを持つようになることから、このように名付けられたと考えられています。
● 製造方法
ワインビネガーはブドウ果汁に酵母を加えアルコール発酵させたもの(ワイン)に酢酸菌を加えて酢酸発酵させます。
一方で、バルサミコ酢は、ブドウ果汁を煮詰めて濃縮したシロップ(モスト・コット)を木樽で自然発酵、熟成させます。酵母を加えない自然発酵であることに加え、一般的な酢酸発酵ではなく、アルコール発酵と酢酸発酵が組み合わさっているため、他の酢とは異なる特徴を持ちます。
熟成期間は数年から数十年と長期間にわたり、長ければ長いほど風味は深まります。
● 味の特徴
果実酢特有のフルーティーで爽やかな酸味を持つワインビネガー。対して、バルサミコ酢は、長期熟成によって酸味や甘みが凝縮された、コクのある濃厚な味が特徴です。オリーブオイルと合わせてドレッシングにしたり、煮詰めてソースにしたりといった使い方の他、醤油やはちみつとの相性がよく、和食にもよく用いられます。
ワインビネガーとバルサミコ酢。味の特徴や用途によって使い分けるのもいいですが、フレンチにはワインビネガー、イタリアンにはバルサミコ酢と、料理のジャンルによっても使い分けると、本場の味を楽しめそうです。
ちなみに、バルサミコ酢には黒ブドウを使って作られる赤バルサミコ酢と、白ブドウを使って作られる白バルサミコ酢が存在していて、日本で主に使われているのは赤バルサミコ酢です。
「赤ワインビネガー」と「白ワインビネガー」の違いと使い方
ワインビネガーには、赤ワインから作られる「赤ワインビネガー」と、白ワインから作られる「白ワインビネガー」があります。それぞれ、赤ワイン由来の深い赤色、白ワイン由来の淡い黄金色の見た目をしていますが、味にも違いがあるので、それぞれの特徴を活かして使い分けてみてください。
● 赤ワインビネガー
赤ワインビネガーは、フルーティで豊かな風味が特徴です。また、赤ワイン由来の渋みやスパイシーな香りも感じられ、料理にコクや深みを加えてくれます。特に肉料理との相性が抜群で、ソースや煮込み料理の隠し味として使うのに適しています。
● 白ワインビネガー
白ワインビネガーは、さわやかかつ軽やかな酸味が特徴です。赤ワインビネガーに比べて控えめな風味はフルーティさが際立ち、料理に繊細な風味を加えるのにぴったりです。酸味がやや強いので、サラダのドレッシングのほか、カルパッチョなどの魚料理やピクルスに使うのがおすすめです。
ワインと同じように、赤は肉料理、白は魚料理という組み合わせはバランスがよく、料理をより引き立たせてくれること間違いなしです。ぜひ、いろいろな料理に取り入れてみてください。
ワインビネガーの代用方法
使いたいのにない!そんな時は慌てず、まず冷蔵庫を見てみましょう。ワインビネガーの代わりに使えるものはいくつかあるので、冷蔵庫にあるもので代替することができるかもしれません。
● ワイン(ブドウジュース)+酢
赤ワインまたは白ワインと酢を1:1の割合で混ぜると、ワインビネガーの風味を再現することができます。風味を楽しみたいマリネにはこの方法がおすすめです。
アルコールが気になる場合は、ワインを煮切って冷ましてから酢と合わせてください。ブドウジュースを使ってもよいですが、ワインを使う場合より甘みが強く、風味は弱まります。
● リンゴ酢
やや甘みが強いですが、同じ果実酢なのでワインビネガーに近い酸味とフルーティーな風味を得ることができます。ドレッシングからソースや煮込み料理まで、オールマイティーに代役をこなします。
● 穀物酢、米酢、レモン果汁
シンプルに酸味を加えたい!というときは穀物酢や米酢、レモン果汁で代用できます。ドレッシングにはこれらを使ってみてください。ただし、入れすぎると酸味が強くなりすぎるので量には注意が必要です。少しずつ加えて調整するようにしましょう。
ワインビネガーを使った簡単レシピ
●ピクルス
ワインビネガー(大さじ3)、水(大さじ3)、砂糖(大さじ1)、塩(小さじ1)を混ぜ合わせたら、お好きな野菜を漬け込むだけです。冷蔵庫で1時間以上冷やしてお召し上がりください。
さっぱりとした酸味とほのかな甘みが食欲をそそり、どんな料理にも合う万能おかずです。保存が効くので作り置きしておくと便利です。
● 鶏肉のマリネ焼き
ワインビネガー(大さじ2)、オリーブオイル(大さじ1)、みじん切りしたニンニク(1片)、ローズマリー(適量)、塩コショウ(少々)を混ぜ合わせたマリネ液に鶏肉を漬け込み、20分程置きます。両面をきつね色になるまで焼いたら完成です。
夕食のメインディッシュにぴったりのメニューです。ワインビネガーの酸味が鶏肉を柔らかくし、ローズマリーとニンニクの風味が加わることで、シンプルながらも奥深い味わいに仕上がります。
● ビネガードリンク
白ワインビネガーだとさっぱり、赤ワインビネガーだとコクのある味になります。水だけでなく、炭酸水や牛乳で割るのもおすすめです。ジュースやはちみつで甘みを足したり、ミントやバジルでハーブの風味を足したりなどアレンジは自在なので、自分だけの味を探してみてください。
元気がほしい時やリフレッシュしたい時にぴったりの飲み物です。手軽に作れるので、料理だけではなかなか使い切れない場合にも試してみてください。
まとめ
フルーティーで爽やかな酸味にワインの風味が加わったワインビネガーは、調味料として非常に使い勝手が良く、料理に深みや奥行きを与えてくれます。
また、赤ワインビネガーと白ワインビネガー、バルサミコ酢などの他のお酢との違いを理解して上手に活用すれば、料理の幅が広がることでしょう。
簡単レシピを活用して、手軽にワインビネガーを楽しんでみてください。
日本で育ったブドウから作られたワインビネガーは、海外のものと比べてどんな味わいなのか興味が湧いてきました。山梨県に地元素材100%で作っているワインビネガーのメーカーがあるようなので、次回の出張時に入手してみたいと思います!
「日本ワイン店 じゃん」では、全国のつくり手を訪問し厳選した100種類以上の日本ワインを取り扱っています。角打ち営業では、旬の食材と和の調味料を使った料理とのマリアージュもお楽しみ頂けます。日本中を旅するようにこのワインからあのワインへ、人に教えたくなるマリアージュの発見と、共感と感動を分かち合う仲間が出来るはず!ぜひお気軽にお越しください。



