ワインにおける酵母の役割と、野生酵母と培養酵母の違いとは?

ワインは酵母のチカラでブドウが発酵して出来るお酒です。発酵に必要な「酵母」って何でしょうか?最近は「野生酵母」や「自然酵母」という言葉も聞きますが何が違うのでしょう?ワインにおける酵母の役割について説明します。

目次


ワインにおける酵母の役割は?

ワインにおいて、酵母というのはとても大事な役割を果たします。酵母は、ワインをつくる過程で、ブドウの糖分をアルコールや炭酸ガスに変えてくれる重要な存在です。

具体的には、次のようなことをしてくれます。

酵母の役割1:ワインのアルコール度を上げる

酵母はブドウ果汁の中の糖分を食べて、アルコールに変えます。これが一番大きな役割。

酵母の役割2:香りや味わいを作り出す

一言で酵母といっても、たくさんの種類があり、酵母の種類によって、ワインの香りや風味が変わることがあります。これが、ワインがいろんな味わいを持つ理由です。

酵母の役割3:ワインを守る

酵母は悪い微生物がワインに入ってこないように守ってくれます。これによって、ワインが安定して美味しく保たれます。

酵母は、ワインのスタイルや味わいに大きな影響を与える大事な要素です。


ワイン酵母の野生(自然)酵母と培養酵母の違いとは?

ワイン酵母は、大きく分けると野生(自然)酵母と培養酵母に分けられます。


野生酵母は自然界から収集された微生物で、通常、ブドウの皮やワイナリー環境から取得されます。培養酵母は研究室で培養された、特定の酵母株から人為的に作られた酵母です。

ワイナリーは培養酵母を購入してブドウ果汁を発酵させる際に使います。


培養酵母は野生酵母に比べ、微生物の純度が高く、不要な微生物のリスクが低い点がメリットです。効率的に発酵を勧めながら、ある程度コントロールされた風味とアロマを持つワインを創り出すことが出来ます。培養酵母は高い品質をキープするために、大きな役割を果たしていることが良く分かります。


一方で、野生酵母は多くの異なる微生物から成るため、ワインに複雑な風味とアロマをもたらすことがあるとして、近年注目されています。


ただし、野生酵母は多くの異なる微生物から成るゆえに、培養酵母と比べて一貫性が低く時には望ましくない風味も生じることがあります。野生酵母を使ったワインづくりは、醸造に関する科学的知識を持ち、醸造環境の衛生面でプロフェッショナルな管理を行えるつくり手が使えるものなのですね。


日本ワインに野生酵母でつくられたワインはある?

日本にも野生酵母からつくられたワインはたくさんあります。その代表的なワイナリーのひとつが、栃木県にあるココ・ファーム・ワイナリーです。収穫したブドウの果皮に付着する野生酵母で発酵させるワインづくりを早くから取り入れていて、日本ワインの中でも自然派ワインを牽引してきた存在です。

先日ワイナリーを訪問したとき、ちょうどブドウ果汁が発酵している様子を見せてもらいました。


ぽこぽと音がするのが分かりますでしょうか?酵母という微生物(いきもの)がブドウの糖分を食べている様子が音として聞こえ、ぶくぶくと動く果汁を見ていると、生きている酵母のチカラを感じます。

野生酵母によるワインの複雑さを感じながらワインを楽しんでみるのも良いかもしれません。


ココ・ファーム・ワイナリーのワイン一覧


ココ・ファーム・ワイナリー以外にも、野生酵母でつくられた日本ワインがあります。

例えば👇は化学農薬不使用でブドウを育て、野生酵母でワインづくりをされるつくり手の赤ワイン。

オノヤマビッキルージュ

3,850円(税込)

商品詳細へ

複雑で優しくて、でも果実味をしっかりと感じる味わいです。


こちらのつくり手も野生酵母でワインを作っています。

グラン・ミュール(長野県)

家庭の和食に合うワインを追求しながら、野生酵母醸造でワインづくりをされています。


ミリ・ボーテ(長野県)

雄大な千曲川が造り上げる自然の美しさをワインを通じて表現されています。


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