【イベントレポート】香月ワインズの代表の香月さんがご来店!

2月12日(水)に、新規お取引扱いとなる「香月ワインズ」の代表、香月克公さんが鎌倉にご来店いただきました✨

目次


何事も全力でトライする、熱い漢、香月さん!

有機農業の町として知られる宮崎県綾町で、農薬、化学肥料、殺虫剤などは一切使用せず、ブドウを育て、添加物一切なしで100%ブドウでワインを造っている香月ワインズの香月さんが、日本ワイン店じゃんに来てくれました。

お店に着いた夕方4時から夜の9時まで、宮崎弁で語ってくださる話を聞きながらワインをいただきました。小柄な香月さんですが、非常にポジティブでエネルギッシュな方。

「常識だから」と決めつけず挑戦し続ける姿勢

例えば、赤ワインに使っているレゲントという品種は、通常は寒い地域で栽培するものというイメージがあり、日本でも北海道で良く栽培されているのを見かけますが、香月さんは暖かい宮崎で栽培しています。「寒いところでしか育たない」と決めつけずに挑戦することで、非常に良い香りと果実味のある赤ワインの醸造にたどり着いています。

また、昼夜の寒暖差が無い宮崎ではどうしてもブドウの酸が残らない。でもワインには酸味の要素も欲しい。そこで香月さんは、青々としてまだしっかりと酸のあるブドウを収穫し冷凍しておいて、醸造時に一緒に発酵させるそうです。「寒暖差が無いと酸が落ちる」と決めつけずに挑戦しています。

香月さんがお話くださったワインづくりのエピソードの数々は、どれも「常識と決めつけずに何事も自分で全力で取り組んでみる」姿勢が感じられるものばかりでした。


海外での経験を地元・宮崎県綾町へ

ニュージーランド、ドイツ、と世界のワイン作りを体験し学んできた香月さん。
宮崎でワイン造りをする中で、自分がふるさとである宮崎県綾町に対して何が出来るんだろうと考えたときに、地元の若者に広い世界をもっと見てほしい、という思いに至ったそうです。

宮崎県は、外から見ていると暖かい気候で人も穏やか、そんなイメージを抱いていましたが、実は、宮崎県外に出たことのない若者が多かったり、自殺率が全国ワースト2位だったり、といった一面もあるそうです。香月さんは、自分がニュージーランドやドイツで見てきた広い世界を伝えたい、それが僕にできる地元孝行だ、と考え、自らが常識に囚われず挑戦する姿勢を貫くことはもちろん、世界と自分のコネクションを使って海外から人を呼ぶときは、地元の若者と一緒に飲む場をセッティングして、少しでも広い世界を見せたいと行動にうつしているそうです。

自然と共生するワインづくり

また、香月さんは、日本の青森県のりんご栽培家・木村秋則氏に感銘を受けて、無農薬栽培に取り組んでいます。「自然に負荷をかけずに、いかに”自分が”努力するかなんだ」と仰っていたのが印象的でした。例えば、殺虫剤の代わりに酢や焼酎を使って自作のトラップを設置、おびき寄せて捕獲した虫ごと土に還して畑の栄養にすることで循環が生まれる、など。

ナチュール(自然派ワイン)の文脈で語られることの多い香月ワインズですが、ナチュールとかそうじゃないとか、農法がどうとか、そういったことはご本人は興味が無さそうでした。有機農法などの認定を取るためにお金を払うなんて、そんなコストをかけるくらいだったら他にお金の使い道を考えたい。自分は自然と共生してその中で美味しいワインを創りたい、ただそれだけ!

香月さんがつくるワインは、いきいきとした果実本来の存在感があって、すごくキレイな美味しさのワインです。無農薬栽培で無添加ですが、収穫時の選果作業で本当に良い実だけ選び抜いたり、発酵時のタンクの温度管理をぬかりなくやったり、細部にわたる相当な努力があってのことなのだと話を聞いていて良く分かりました。

さらに、「持続可能な共生」を目指すのは、自然に対してだけではありません。地元のブドウ農家さんとも持続可能な形で共生することを大事に、相場とされる値段より高くても、農家さんにきちんと利益が出る値段でブドウを仕入れることにしているそうです。

ワインに限らず、消費行動において、つい「安ければ安いほど嬉しい!」って思ってしまうときがありますが、その商品がどのように作られるかの背景を知ることで購買行動が変わることもあるはず。私たちは、生産者の方と直接つながる酒屋として、その背景や想いを伝えられる売り手でありたいな、と思いました。

香月さんとお話していると、何かに挑戦している時に人から発せられるエネルギーや迫力のあるオーラみたいなものをとても感じました。自分がこうすべきだ、と思ったら行動に移す、その勇気を香月さんと話しているともらえます。

綾町の自然の恵みを味わう

おまけに、当日は同じ綾町の猟師さんから仕入れさせていただいた野生の猪肉のすき焼きを特別にご提供。びっくりするほど臭くなく、白い脂身のところが甘くて、そして少しコリコリした食感で、めちゃくちゃ美味しかったです(綾ルージュという赤ワインと非常によく合いました)。
急遽決まった猪肉の仕入れにも関わらず、この度も美味しいすき焼きの返しを作って鍋奉行をしてくれた調理スタッフのリョウタ君ありがとう!

そしてお越しいただきました皆さん、香月さん、楽しい時間を本当にありがとうございました。

 


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