収穫のお手伝いに参加してきました!
山梨県にある旭洋酒さんにお声がけ頂き、ブドウの収穫のお手伝いに行ってきました!2023年9月11日、集合に間に合うよう鎌倉を出るのは朝の5時。初めての収穫体験にワクワク、遠足の前日ような気分で夜を過ごし、日の出とともに出発です!
目次
日本昔話みたいな風景の道をゆく
勝沼インターで降り、甲州市塩山の牧丘地区というエリアに向かって車を走らせること30分ほど。インターを降りてすぐは、ブドウ畑と観光農園の連なる"町"の景色ですが、だんだんと民家が減り、狭くなる道を登っていきますと"里"の風景に。民家が一軒ずつ大きく、二階部分(屋根の中央)に高窓が飛び出た形で、昔は養蚕産業が栄えた土地であることがうかがえます。敷地内に土蔵が残っている家も多く、畑の中にぽつぽつと立派な古民家がある風景は、懐かしくて落ち着く、とても良い雰囲気でした。
👆車中からの撮影で見づらいですが、高窓のある家が分かるでしょうか...
ソーヴィニヨンブラン品種の畑
今回、収穫となったのはソーヴィニヨンブランという品種の畑です。旭洋酒の「グルペットブラン」という白ワインで使われているブドウの畑。今年リリースされている(去年収穫されたブドウでつくられた)このグルペットブランが、溌溂とした酸味と、完熟ブドウを噛んだ時のようなジューシーな旨さの広がりがとても美味しいのです!そのため畑に伺えるのをとても楽しみにしていました♪
畑がある場所は標高650m、グルペット農園の畑です。周りには巨峰の畑が多く、古くから果樹栽培が営まれてきた地域です。シャインマスカットに転向する畑が増える中、古くからの巨峰畑が続く景色がまた、どこか懐かしく落ち着く雰囲気にする理由の一つかもしれません。
そんな景色の中、さぁ収穫のお手伝いスタートです!
思ったより重い!
旭洋酒の鈴木さんや園主の山上さんに教わりながら、恐る恐るブドウの房を持って鋏を入れます。プツンと果梗を切ると、手にずっしりとブドウの重さを感じます。果皮が弾けんばかりに果汁が詰まっていて、最初の感想は「思ったより重い!」ということ。柔らかいイメージを持っていましたが、実と実がギュっと固まって硬く、しっかりしていました。
丁寧な選果
取った房は目視でチェックして、果皮が破れてグチャっとなってしまった果実があれば、1個ずつ鋏で取り除いていきます。(周りの方々は慣れていらっしゃり、この作業がとてつもなく速い💦)
果皮が破れてグチャっとなった実と、綺麗な房の実だと、香りが違うのが面白かったです。綺麗な房からは、どこか甘い、でもキレのある酸味を感じる香りがしますが、グチャっとなった果実は、嫌な臭いが混ざっていました。香りの違いを知ると、大変でも1個ずつ選果をしていくことで、ワインの出来が左右されることが良く理解できます。
こんなに良い香りで弾けそうなブドウから出来たワインだから、美味しかったのか!グルペットブラン!と納得。
収穫されたブドウは軽トラに乗せられ旭洋酒の醸造所へ運ばれます。
グルペット農園でお昼ご飯
早朝から働き(私たちが参加したのは8時頃からでしたが他の皆さんは7時から)、途中で畑でのお茶休憩を挟んでお昼休憩。山上さんが畑として借りている土地に残っている蔵の前で皆でお昼ご飯です。
👆すごく古い土壁の蔵の脇でお昼ご飯。水道の蛇口をひねると山の水で、とっても冷たくて気持ち良かった!
農園の山上さんは、自社農園を開く前は奥野田葡萄酒で働いていらっしゃったそうです。初めての収穫参加で緊張気味の私たちの事を気にかけてくださり、私と、一緒に行った当店スタッフのリョウタ君に色々と優しく質問しながら話してくれました。優しい口調で会話しながら、周りへの目配りを忘れず、それでいて作業のスピードは物凄く速い!収穫などの大変なとき以外は基本的に1人で畑を管理されている山上さん。常に臨機応変に、迅速に動き続けなければいけない、自然相手の仕事について、ほんの少し(1億分の1くらい)垣間見たような気がします。
行ってらっしゃいブドウ達!
収穫作業を終えたのは15時頃。このころになると、収穫したブドウに愛着が湧いて、トラックに積まれるブドウ達に思わず「行ってらっしゃい!良いワインになってね!」と声をかけてしまいます(笑)。
園主の山上さんと、旭洋酒の鈴木順子さんは、長年の信頼関係が築かれているのが会話されている様子から良く伝わってきました。「良いワインは良いブドウから」とよく言われます。栽培家と醸造家が異なる場合は、信頼関係の構築とワインづくりへの想いの共有が大変なのかもしれませんが、その分、1+1が2以上になった時に出来る創造物(ワイン)は素晴らしいものになるのだなぁとお2人を見ていて感じました。