信州高山村 生ハム工房TONYA
長野県高山村。栗で有名な小布施から車で15分ほど走った場所にある村で、近年「ワイン産地」として注目されている村です。その高山村に、絶品の生ハムをつくる工房があると訪問してきました!
名ブドウ栽培家が作る生ハム
生ハム工房は、標高850mほど、連なる山岳の見晴らしが美しいブドウ畑の中にあります。
👆生ハム工房からの景色。目の前はワイン用ブドウの畑。
このTONYA工房のオーナーの佐藤さんは、実はブドウ栽培の名人でもあるんです。シャトーメルシャンやココ・ファーム・ワイナリー、小布施ワイナリーなどの契約農家として、お父様の代からワイン用ブドウの栽培をされています。(お父様はこの高山村に初めてワイン用ブドウを植えた方!)
自身でワインづくりはされていませんが、先に挙げたような、日本の名だたるワイナリーが信頼を寄せる名ブドウ栽培家として活躍されています。
生ハムが好きで、秋田県の工房や、本場スペインに修行に行って技術を習得し、長野県初となる生ハム工房を2013年にオープンされたそうです。
👆スペインの師匠JOSELITO(ホセリート)について語る佐藤さん
血抜きや塩加減に職人技光る
全て信州産の豚肉を使用し、原木(骨付き)のまま熟成され作られるTONYA工房の生ハム。熟成中の庫内を見学させていただきました。
たくさんの原木が吊り下げられた部屋は、思わずス~っと鼻から息を吸い込みたくなるような芳醇な香りが満ちています。"良い菌の香り"、と言って伝わりますでしょうか、この香りを嗅ぐだけで唾が出るような香りなんです。
同じ原木、同じ場所で作っても、つくり手によって味が変わるのは、生ハムをつくる工程の血抜きの作業や、塩加減に違いが出るからだそうです。
細かい点まで目を行き届かせ、菌がつく状態を見ながらどこまで塩を刷り込むのか、手を加え過ぎることなく手を添えながら成長を見守るのは、ブドウ栽培と通じるものがあるのかもしれません。
言語化が難しいその微妙な匙加減や「塩梅」が、美味しいブドウや生ハムをつくり出す佐藤さんの腕なのだなと感じました。
オーナー制度で自分の生ハムづくり
TONYA工房では、生ハムのオーナー制度があり、生ハムの仕込みを体験できます。原木1本の仕込みを工房にて体験し、その後の熟成は工房で佐藤さんが管理を行ってくれます。1~2年後、自分の生ハムの原木が届くという贅沢な体験です。
噛めば噛むほど優しい旨味の広がる生ハム
TONYAの生ハムを初めて食べたときの印象は「あまい!」ということ。海外の生ハムで「しょっぱい」イメージがありましたが、TONYAの生ハムは、昆布を嚙みしめたような旨味がとても強く、口の中で溶け出す脂が柔らかい印象です。砂糖のような甘さではなく、旨味からくる甘さを感じる生ハム。う~ん美味しい!!これは生ハムのイメージが変わります。
👆佐藤さんがその場で原木からスライスしてくださいました。
この繊細な味わいと優しい脂の感じは、日本ワインにピッタリです!日本ワイン店じゃんの角打ちではTONYA工房の生ハムもお出ししています。高山村にある信州たかやまワイナリーのワインと、高山村の生ハムで最高のマリアージュを是非お楽しみください!