「GI山梨」や「GI長野」って何?日本ワインの産地呼称制度を解説

日本ワインのラベルに「GI山梨」「GI長野」と記載があるのを見かけたことはありますか?これは、産地呼称制度の表示です。産地呼称制度とは何か?何のためにある制度なのか?ご紹介します。

目次


フランスにも同様の制度AOC(原産地統制呼称制度)がある

日本の話の前に、フランスのAOC(原産地統制呼称制度)についてご紹介します。ワインフランスAOC(原産地統制呼称制度)は、フランスの食品や飲料の生産地域と製法に関する法的な保護制度です。
AOCにより、特定の地域で生産された製品がその地域の特有な風土や伝統的な製法に基づいていることを示すことができます。AOCの対象にはワイン、チーズ、肉製品などが含まれます。
たとえば、「シャンパン」というのは、シャンパーニュ地方で伝統的な製法で作られた発泡性ワインを指すものです。また「シャブリ」と言えば、 ブルゴーニュ地方・シャブリ地区のシャルドネからつくられた辛口白で、甘口のシャブリはありません。

 

日本における酒類の地理的表示(GI)、産地呼称制度とは?

フランスと同様に日本にも、お酒の産地呼称制度が存在します。
日本における酒類の地理的表示(GI)や産地呼称制度は、特定の地域で生産された酒類がその地域の風土や伝統的な製法に基づいていることを示す制度です。これにより、特定の地域の特産品や伝統的な製造方法が保護され、模倣品や類似品から守られます。
例えば、日本酒の「山田錦」や「出羽桜」、焼酎の「鹿児島焼酎」などが、その地域での特有性を保護されるためにこの制度によって認定されています。

 

産地呼称制度の目的とメリットは? 

産地呼称制度の目的とメリットをまとめると以下の通りです。

【産地呼称制度の目的】

①保護と認識: 特定の地域で生産された製品の風味や品質、製法に関する特有性を保護し、消費者にその由来を認識してもらう。
②地域経済の支援: 特定の地域での生産を促進し、その地域の経済を支援します。地域の生産者や農家にとって、その地域の製品が高い評価を受けることで経済的な恩恵が生じます。

【産地呼称制度のメリット】

①品質の保証: 産地呼称制度は、特定の地域や条件でのみ可能な製法や素材を使用することで、一定の品質と風味を保証します。GI表示があることで、私たち消費者は高品質な製品であることを確認して購入できます。
②地域の文化と伝統の維持: 特定の地域での製法や伝統を尊重し、保護することで、その地域の文化や伝統が維持されます。

このように、産地呼称制度は消費者、生産者、地域経済、文化にとって多くの利益をもたらす制度です。厳しく基準を設けることで、製品のブランドを確立し、地域経済を発展させ、文化を守る。それがGIに込められた想いなんですね。

 

日本ワインの産地呼称制度(GI)は山梨や長野などの5産地が指定

日本のワインでは現在、5産地(山梨、北海道、山形、長野、大阪)が指定されています。
例えば、GI Yamanashiは、産地が山梨県内であることは勿論、使う品種やアルコール度数度、酸化防止剤の添加量など細かく基準が設けられ、基準をクリアして認定されたワインにのみ「GI Yamanashi」の表記が許されています。
GI大阪には、全国3位の生産量を誇るデラウェアという食用品種の使用が基準として入っていたり、各産地の特色が出るように基準が定められています。

これからも新たにGIに指定される産地が出てくるかもしれないと思うと楽しみです。好きになったり気になったら、行ってみることが出来る距離に産地があるのが日本ワインの楽しいところ。ワインを通じて日本の各地の良さを再発見してみてください。

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