
【西日本を巡る】ワイナリー&チーズ工房訪問記
今年2回目となる大寒波が押し寄せる2月後半、4泊5日で西日本を回ってきました。天気予報を睨みながら、直前にレンタカーをスノータイヤに変更して、いざ始発の鎌倉駅を出て広島駅へ。そこから広島、島根、岡山、徳島、淡路島、京都、滋賀と移動し合計8つのワイナリーやチーズ工房といった生産者を訪問してきました。
広島や岡山は暖かいイメージですが、北部は雪国です。田んぼも、都会から比べると豪邸と思える広い民家の屋根も、真っ白な雪に覆われて美しい景色が広がっていました。
目次
三次ワイナリーの歴史と変革
新幹線を広島駅で降り、最初に向かったのは三次ワイナリー。昭和50年代に第三セクターで設立されたワイナリーは全国にいくつもあったそうですが、地に根差し発展し続けて存続するワイナリーは多くはありません。お土産用ワインから広島を代表する本格ワイナリーになるまでの変革の歴史についてお話を伺いました。畑では、ちょうど樹の幹を削って虫が越冬しないようにしている作業中でした。
三良坂フロマージュ:牛や山羊と共に生きる
次に訪れたのは、三良坂フロマージュというチーズ工房。効率性・生産性だけを追い求める畜産に疑問を持ち、牛や山羊が健康で幸せであるように育て、一緒に生きていく、そんな素敵な工房でした。動物の体に負担をかけないよう濃厚飼料を使用せず草のみで育てています。草のみで育てると搾乳量が非常に少ないそうですが、それでも動物の体を大切にしながら、チーズづくりをするという選択をされています。
奥出雲葡萄酒・木次乳業へ
2日目は島根県の奥出雲葡萄酒へ。その高い品質でファンの多いワイナリーでずっと気になっていたメーカー。1992年、何も無いところからブドウ栽培と醸造を試行錯誤でやってきた社長の熱い語りを聞き、すっかりファンに。
そして、奥出雲葡萄酒の親会社である木次乳業へ。ベテラン営業マン女性に、創業者である佐藤忠吉さんの偉業や格言を教えていただきました。佐藤忠吉さんは生涯その肩書を「百姓」とし、有機農業から子育てに至るまで自身の考えを発信し続けた方。帰り道、「忠吉語録」という本を見つけて思わずポチ。
新しいワインの産地「岡山ワインバレー」
そのまま車を走らせて岡山県へ。前から飲んで美味しさに衝撃を受け、この旅では絶対に訪れたかったワイナリー、岡山ワインバレー(荒戸山ワイナリー)。ゆるキャラでありながらその柔軟性でしっかりと地域に根を張ってワインをつくる野波さんにお話を伺いました。
徳島県・魔女のワイン?Natan葡萄酒
3日目は海を渡り徳島県へ。Natan葡萄酒という女性のつくり手を訪問。ワイナリーのロゴやワインボトルのエチケット(ラベル)に魔女が登場することから”魔女のワイン”とも呼ばれ、とっつきにくい印象を持っていましたが、なんと関西弁ノリの等身大の女性ですごく好感が湧きました。ワインのことを、葡萄を醸す酒=「葡萄酒」と呼ぶことにこだわる関西のおねえちゃん(敬意をこめて)。
淡路島・YOKACHORO FOOD BASE
4日目、淡路島にある、YOKACHORO FOOD BASEへ。産業廃棄物になってしまう規格外の農作物などを買い取り、加工品にして販売する角田さん。当店では淡路島産のオリーブの実を漬けた瓶詰を取り扱っています。お話しした中で印象に残っているのは「キレイゴトやってる人と思われたくない」という言葉。本気で何かを変えようと思って行動している、その強い意志を感じました。
滋賀県・Antelope若手醸造家のエネルギー
5日目は滋賀県にある蜂蜜発酵酒の醸造所Antelopeへ。まだ若い醸造責任者の谷澤さん、これまた語りだしたら止まらない系でした(生産者あるある)。話がめっちゃ面白いので全く苦じゃなく聞けるんですけどね。醸造オタクで、かつお酒造りを通して資本主義に抗う青年のエネルギーに感化され、とても元気をもらいました。
外に出て、足を運んで分かる大切なこと
出張のたびにいつも思いますが、やはり「行かないと分からない!」。体得、という言葉がありますが、字面で知った気になっていることと、実際に体験を通して知識を得ることは全く別物です。今回も、Natan葡萄酒の井下さんは完全にちょっとスピリチュアルでとっつきにくい魔女のような女性、と思い込んでいたら、まったく真逆のお人柄。その等身大で温かい人柄から生み出されるワインだということを、しっかりとお客様にお伝えしようと誓ったのでした。(行かずに売ってたら「徳島県の魔女が造ってるワインですよ」になりかねなかった!笑)
徳島県を流れる吉野川も、「大きい川っぽい」ことは知っていましたが、徳島から淡路島に向かい車を走らせる途中、吉野川を渡る橋にさしかかったとき、「え?海?もう淡路島??」と混乱するくらい雄大な川を感じることが出来ました。ネットで「川幅1.3km」と字面で見るのとは衝撃が違います。
ネットで調べればたいていのことは分かってしまう今日この頃。便利さにかまけて外に出るのが億劫になることもありますが、外に出て、実際に足を運び、目で見て匂いを嗅いで、直接話を聞くことで世界はぐっと広がります。やはり外に出ることは大事だと改めて感じました。
疲労と充実感に包まれ八ツ橋を頬張る帰りの新幹線(和菓子好き)。この旅を通じて感じたのは、日本、まだまだ捨てたもんじゃないわーーーー!!!ってこと。こんなに想いを持って、誰かをハッピーにしよう、素敵な人たちの輪を広げよう、としてる人達がいる。私達はそれを正しく、そして多くの人に届けていかないといけない、と強く思いました。
お話を聞かせていただいた西日本の生産者のみなさん、貴重な時間をありがとうございました!



