ワインのアルコール度数って、どうやって決まるの?
目次
ワインのアルコール度数はどれくらい?日本酒やブランデーなどと比較
ワインのアルコール度数は一般的に、11〜15%の範囲です。他のアルコール飲料と比較すると、例えば、一般的なビールは4%から6%、日本酒は15.6%、焼酎は25%から35%、ウイスキーやウォッカなどは40%以上のアルコール度数を持つことがあります。
こう並べて見ると、ワインは軽めのアルコール度数のお酒で、ビールの次に低いアルコール度数です。そのため、ビールと同様に食事とのペアリングやソーシャルな場で楽しむのに適しています。
因みに私は、お酒があまり強くないのですが食事の時はお酒を一緒に楽しみたい派です。以前はよく日本酒を飲んでいましたが、酔っぱらってしまうので食事中ずっとは飲んでいられず…。
そんな時に日本ワインに出逢い、日本の食事に非常に良く合う味わいと、ちょうど良いアルコール度数が、自分のニーズにピッタリ合いました。
ワインのアルコール度数はどうやって決まるの?
ワインのアルコール度数は、低いものから高いものまでありますが、何によって度数が決まるのでしょうか?ワインのアルコール度数は、主に以下の要因によって決まります:
糖分の濃度
ワインのアルコール度数は、ブドウの果汁中に含まれる糖分の濃度に大きく影響されます。糖分が多いほど、発酵中に生成されるアルコール量が多くなります。
酵母の種類と活性
ワインは酵母のチカラで発酵して作るお酒です。この酵母の種類とその活性は、アルコール度数に影響を与えます。異なる種類の酵母は異なる速度で糖分をアルコールに変えるため、つくり手は仕上げたいワインに近づけるため、どの酵母株を選択するか判断します。
発酵の期間
発酵の期間が長いほど、酵母が糖分を完全にアルコールに変える時間が与えられ、アルコール度数が高くなります。そのため発酵を停止させるタイミングも重要です。発酵を早めに停止することで、残糖を含むワインを作ることができ、アルコール度数を下げることがあります。
これらの要因が組み合わさり、最終的なワインのアルコール度数が決まります。つくり手はこれらの要因を注意深く管理し、特定のスタイルや味わいを実現するために調整します。
ワインのアルコール度数に影響するブドウの糖度はどうやって決まるの?
ワインのアルコール度数の決定要因として大きな「糖度」。これはどうやって決まるのでしょうか?
成熟度合い
ブドウは成熟するにつれて糖度が高まります。成熟度を見極めるためにブドウの糖度を測定することは、収穫のタイミングを決定する重要なステップです。
太陽光と気温
太陽光と気温はブドウの糖度に大きな影響を与えます。十分な太陽光と温暖な気温があると、ブドウは糖分を蓄えます。昼夜の気温差も糖度に影響を与えます。(詳しくは「千曲川ワインバレー」の解説ブログに書いています)
土壌と栽培条件
ブドウの栽培に使用される土壌、水供給、栄養状態などの条件も糖度に影響を与えます。土壌の種類や水の利用方法はブドウの成長に影響を与え、糖度を調整する要因となります。
つくり手は、これらの要因を慎重に考慮し、収穫のタイミングを決定し、ブドウの糖度を最適なレベルに調整します。
つくり手を訪問するたびに、ワインづくりは、農業であり工業でもある。芸術であり科学でもある。総合格闘技だなぁと感じる場面が多いです。アルコール度数や糖度が高ければ良いということでも低ければ良いということでもなく、何事も「ちょうど良いバランス」を探りながら、年に1度のワインづくりに懸ける方たち。知れば知るほど、尊敬しかないです。