
じゃんの取り扱いワインとの出会いについて
「日本ワイン店じゃん」として2022年に自宅の玄関で販売を始めた当初、取り扱いワイナリーはほんの20社程度で、その8割が山梨県のワインでした。今では、北海道から九州まで全国約80社のワイナリーからワインを仕入れさせていただいています。
「取り扱うワインはどうやって選んでいるのですか?」とよく聞かれます。
今回は、ワイナリーとどのように出会い、お取引を開始しているかについてご紹介します!
目次
開業当初は信頼ゼロからのスタート
開業当初は(今もまだそうですが、今より更に)酒屋としての信頼がゼロで、美味しいと思ったワイナリーをGoogleで調べて電話し「かくかくしかじかで売ってくれませんか」と言っても訝しがられることもありました。とにかく行くので会って欲しいとお願いし、現地に訪問してこちらがやりたいビジョンを伝えると、共感いただいて卸してもらうことができ、そうやって1軒1軒、文字通り門戸をたたいていくスタート。
*開業当初は自宅玄関で販売をしていました。
「鎌倉からベンツにでも乗ったワイン好きのオバさんが、趣味で日本ワインを売りたくて来るのかなと思ったよ(笑)」と言われたこともあります。ワイナリーの方からしたら、そんなイメージでアポを受けたら、子供がいながら会社まで辞めて事業としてやろうという頭のおかしいワイン素人オバさんが来たので、もっと驚いたことと思います。
今も変わらないスタイル
今では、やっと当店もWebサイトやSNSを見てくださる方が増えてきたり、日本ワインというものすごく狭い業界の中でほんの少しだけ認知されてきてはいますが、まだまだやり方は一緒。美味しさに感動したらググって電話してアポを取る。
現在は大きく次の2つのパターンでお取引をスタートしています。
・店主やスタッフがたまたま飲む機会があり美味しさに感激したから問い合わせる→アポ取得して現地訪問→つくり手の想いやビジョンに共感し、売ってくれるとなったら取引
・ご縁で繋がりがあり、つくり手の想いやビジョンに共感→実際に買って飲んでみる→現地訪問して売ってくれるとなったら取引
つくり手の想いやビジョンを伝える
私はワインのプロフェッショナルではないので、直接行って生産の現場を見せていただき、つくり手から話を聞かないと、取引するかどうか判断できないというのが正直なところです。プロであれば、ワインのテクニカルシートなどからそのワインについて深く理解してお客様に販売できるのかもしれませんが、五感をフル活用して体験したことを、商品の情報としてお客さんに伝えるのが当店のやり方です。
でも、実際に行ってお話を伺うと、土壌や気候のことはもちろん、つくり手の方の口調やまなざし、醸造所の隅々に至る衛生管理の意識などから、たくさんの情報を得られます。そのうえで、やはりこのワイナリーのつくるワインは間違いない、そう確信してから取引をお願いしています。お店にいると「どれがおすすめですか?」と良く聞かれるのですが、こうやって取引することを決めているので、正直なところ全ておすすめです(笑)。
私たちがワイナリーからワインを買うのと同じように、皆様が私たちからワインを買っていただくときも、同じように、「この人たちがおすすめするなら大丈夫」と思ってもらわないといけません。当店には頼もしいスタッフが揃っていて、みんなで共通の行動基準を設けています(サイトの「About us」に掲載)。つくり手に刺激を受けながら、自分たちもまだまだ精進していかないといけない、と日々思っています。
作り手とのエピソード~Carve an安蔵正子さんとの出会い~
ここからは実際にお取引をさせていただいているCarve an安蔵正子さんとの出会いの話をご紹介します。
Carve anは今注目される山梨の新しいワイナリー。栽培醸造家は安蔵正子さんという女性で、丸藤葡萄酒という老舗ワイナリーで醸造のキャリアを積みました。シンプルですがエレガントで、複数品種のブレンドの妙にも定評があります。
Carve anの安蔵正子さんの存在を知ったのは、「ウスケボーイズ」と「シグナチャー」という映画を見た時。日本を世界の銘醸地にするために奮闘する革命児たちを描いたノンフィクション映画です。その中に出てくる唯一の女性醸造家が安蔵正子さんでした。
鎌倉で「シグナチャー」の上映会をすることになった時、主人公である安蔵光弘さんにトークセッションゲストで来ていただけたら最高!と思いついた私。安蔵さんと同じシャトーメルシャン出身の醸造家(当店で取引あり)に電話して事情を話すと、安蔵さんを繋いでくださり、二つ返事で鎌倉に来て下さることになりました。その安蔵光弘さん(日本ワイン界を牽引してきた醸造家)の奥様が、安蔵正子さんです。ご夫婦で鎌倉のイベントに出席いただいたことをきっかけに安蔵正子さんとのお付き合いがスタートしました。*「シグナチャー」上映会。写真右が安蔵正子さん。
このように、人との繋がりからさらにご縁を繋げていただきお取引に至るケースもあります。
1本のワインの裏側にある、1人ひとりのつくり手の想いやストーリーを大切に、これからもワインをお取り扱いしていきたいなと思っています。



