スパークリング、シャンパン、ペティアン、ペットナット、それぞれのワインの違いは?
乾杯や、暑い時期のお酒として重宝する発泡酒。キラキラとグラスの中で輝く泡を見ていると気分も上がります。でも、ワインの発泡酒は呼び名が色々で良く分からない….という方も多いのでは?よく聞く発泡ワインの呼び名を解説します。
目次
スパークリングとは?気泡が含まれるワインの一種
スパークリングワインは、炭酸ガス(二酸化炭素)の気泡が豊富に含まれているワインの一種です。一般的なスパークリングワインのガス圧は、3気圧から6気圧程度であり、これにより細かい気泡がワイン内で生まれ、口当たりがクリーミーで爽やかに感じられます。シャンパンやクレマン、スペインのカヴァなどがこのスパークリングの範囲に該当します。
スパークリングワインの製法
スパークリングワインを作り出すためには特別な製法が必要です。気泡が含まれるワインにするには、何種類かの製法があります。ここでは、スパークリングワインの主要な製法を紹介しましょう。
1.シャンパーニュメソッド (Traditional Method):
シャンパーニュメソッドは、最も高級なスパークリングワインに使用される製法です。このプロセスでは、基本ワインを作成し、酵母のチカラにより、瓶内でゆっくりと二次発酵を行います。瓶内で発酵が起き、気泡が生成されます。何か月も熟成させた後、デゴルジュマン(沈殿物の取り除き)が行われ、最終的なスパークリングワインが完成します。最もトラディショナルな方法で、非常に時間と手間のかかる製法です。
2. シャルマメソッド (Tank Method):
シャルマメソッドでは、シャンパーニュメソッドのように瓶ごとではなく、大きな密閉タンク内で二次発酵を行います。この方法はプロセッコなどの軽やかなスパークリングワインに使用され、一度に大量に作ることができるため効率的で手軽な製法です。
3. カーボネーション(Carbonation Method):
カーボネーションメソッドは、炭酸ガスを直接ワインに注入する方法です。この方法は、瓶内二次発酵を行わずに、ワインに気泡を付けるために使用されます。比較的リーズナブルな価格帯のスパークリングワインに多いです。原酒の質が良ければ、高品質でコストパフォーマンスが高いスパークリングになります。
日本のスパークリングも、キリッと辛口で美味しいものがいっぱいです。
例えば、こちらは宮崎県産シャルドネ品種で造られたカーボネーション製法のスパークリング。どことなくトロピカルな香り、熟した果実味を感じられるエレガントなスパークリング。
シャンパンとは?ャンパーニュ地方で生産される特別なワイン
次によく聞く言葉がシャンパンです。シャンパンは、スパークリングの中でも特定のものを指し、フランスのシャンパーニュ地方で生産される高級なスパークリングワインのことです。
主要なブドウ品種はシャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエで、シャンパーニュメソッドと呼ばれる特別な製法で作られます。シャンパンは辛口の「ブリュット」から甘口の「ドゥミ・セック」までさまざまなスタイルがあり、特別な機会や祝い事に愛されます。
その名前は法律で保護されており、シャンパン地方以外ではシャンパンという名前のワインを作ることはできません。
ペティアンとは?フランスの弱発泡性のワイン
「ペティアン」とは、フランスの弱発泡性ワインのことで、通常のスパークリングワインとは異なり、ガス圧が1〜2.5気圧のものを指します。ガス圧がスパークリングより低いので、柔らかな泡と軽やかな飲み心地、フレッシュな味わいが特徴です。栓が王冠のものも多く、カジュアルな印象です。
ペットナットとは?野生酵母で発酵させるワイン
「ペットナット」は、フランス語で「自然な微発泡ワイン」を指し、自然な発酵過程で微細な気泡を持つワインです。「ペティアン・ナチュレ」などと呼ばれることもあります。自然派のつくり手が使うことが多く、酸化防止剤を不使用もしくは極力使用せずに作り、野生酵母のチカラだけで発酵させることが殆どです。
澱(おり)が溜まっているものが多く、じわじわと旨味の広がるペットナットは、夕方早い時間から飲む時や、アウトドアで活躍する美味しさです。
例えば、ドライ粉末酵母ではなく、ブドウの果皮に付着する野生の酵母の力だけで発酵させワインを作るメーカーとして、草分け的存在のココ・ファーム・ワイナリーには、「あわここペティアン」という商品があります。澱も取り除かず瓶の底に溜まっています。
果実のジューシーさとフレッシュさを感じる、心地よい泡のワイン。
あわここペティアン(ココ・ファーム・ワイナリー/栃木県)¥2,750(税込)
👇こちらは酸化防止剤無添加の発泡性ワイン。岡山県産のピノノワールという品種100%で出来ています。
パークリングワイン、シャンパン、ペティアン、ペットナットの違い
スパークリングワイン、シャンパン、ペティアン、ペットナットの違いを要約すると、スパークリングワインは炭酸ガスを含むワイン全般の総称で、シャンパンはフランスの高級スパークリングワイン、ペティアンはフランスの弱発泡性ワイン、ペットナットは自然な微発泡性を持つワインです。
それぞれ名前の意味や製法を知ると、より選ぶのが楽しくなりますね。