飲み残したワインの保管方法は?美味しく保つコツと便利グッズを紹介!

「ワインは開けたらすぐに飲み切らないと」と思っていませんか?ワインは風味が変わりやすい繊細なお酒です。しかしいくつかのポイントを押さえて保管すれば、開栓してしばらくたったものでも楽しむことができます。この記事では、飲み残したワインを美味しく保つための保管方法や、実際に使ってみてよかったおすすめグッズをご紹介します。

目次

一度開けた後にワインの味が変化する理由とは

ボトルを開けた瞬間から新しい空気が入り込むことで、ワインの味わいは少しずつ変化していきます。その主な原因は「酸化」です。ワインに含まれるポリフェノールなどの化合物が酸素と反応することで、フレーバーが変質していきます。香りが抜けたり、フルーティな味わいが薄れたりするだけでなく、劣化が進むとツンとした酸味が強くなることもあります。

しかし、酸化による変化がすべてネガティブというわけではありません。「角が取れた」「開いてきた」と表現されるように、むしろ、しばらく空気に触れさせることで、ワインがまろやかになったり香りが立ったりと、ポジティブな変化をみせることもあります。大切なのは「ほどよい酸化」と「行きすぎた酸化」の違いを見極めること。開栓から時間が経ちすぎると、ワインが本来持つ魅力や個性が損なわれてしまうこともあるからです。美味しさを長く楽しむためには、適切な方法で保管することが重要です。

飲用中の酸化にも注意

酸化はボトルの中だけではなく、グラスに注がれたワインでも進行します。空気との接触によってアロマが開いてくると同時に酸化も進むため、飲んでいる最中に少し置いておいたら味が変わった、ということもあります。ゆっくりと味わいたい場合は、大ぶりのグラスを避ける、一度に注ぐ量を少なめにするなど、グラス内の空気との接触面を調整するのも一つの工夫です。

この空気に触れさせるという行為は、ワインをグラスの中でくるくると回す「スワリング」にも関係しています。スワリングは、ワインの表面積が広がり、空気と触れることで香りが立ちやすくなるのです。特に香りの複雑な赤ワインや熟成タイプの白ワインでは、この一手間で香りの印象がぐっと引き出されます。

飲み残しのワインは何日くらい保管できる?

飲み残したワインの保管期間は、ワインの種類や保管状態によって異なりますが、目安として白ワインで2〜3日、赤ワインで4〜5日、長くても1週間程度が一般的とされています。スパークリングワインの場合は炭酸が抜けやすいため、できれば当日中に飲み切るのが理想的です。いずれにしても、ワインは開栓後すぐに酸化や劣化が始まるため、できるだけ早く飲み切ることが美味しさを保つポイントとなります。

もちろん、これらはあくまで目安。保管の仕方やワインのスタイルによって、もっと長く楽しめることもあります。私自身、抜栓から2週間経った赤ワインを飲んだところ、開けたてよりも味わいが凝縮されており、驚くほど美味しく感じた経験があります。「こうしなければならない」と決めつけず、自分の舌で味の変化を確かめながら楽しむ。それもまた、ワインの奥深い魅力のひとつです。

保存テクニック① 保管には冷蔵庫の野菜室がおすすめ

ワインは高温や直射日光に非常に敏感なため、冷暗所での保管が基本。飲み残したワインは冷蔵庫の野菜室での保存がおすすめです。冷蔵庫内は温度が安定しており、酸化の進行を緩やかにする効果があります。特に、野菜室は冷えすぎを防ぎ振動も少ないため、一時的な保管場所として適しています。香りの強い食品とは離して保存し、振動や温度変化が起こりやすいドアポケットの使用は避けましょう。

未開封のワインはコルクの乾燥を防ぐため横に寝かせて保存しますが、開封後のワインは立てて保管するのがよいでしょう。ボトルを立てることで空気に触れるワインの表面積を最小限にでき、液漏れのリスクも抑えられます。寝かせて保管すると空気に触れる面積が増え、酸化が進みやすくなってしまうので、できるだけ立てて保管するようにしましょう。

保存テクニック② 酸化を防ぐためにしっかり栓をする

ワインは空気に触れることによって酸化が進むため、風味を保つためには空気との接触を最小限に抑えることが重要です。開栓後はできるだけ早く栓をし、専用のワインキャップやストッパーを使用して密閉しましょう。

コルクを差しなおす方法もありますが、コルク自体がもともと空気を通しやすい性質の上、開封時にできた穴もあるため、気密性は十分とは言えません。そのため、再利用する際はコルクにラップを巻いてから差し込むと、空気の侵入を防ぎやすくなり気密性が高まります。発泡性ワインに使用されているきのこ型コルクは、一度抜くと再度詰めなおすことはできないので、別の方法で栓をする必要があります。スクリューキャップのワインであれば再栓も簡単です。

保存テクニック③ 身近なものでワインの栓を代用する方法

コルクを再利用する以外にも、身近なものを使ってワインの栓を代用することができます。

● 代用方法① ラップでボトルの口を覆う
ワインボトルの口をラップで二重に覆い、その上から輪ゴムを2〜3本使ってしっかりと固定します。ただし密閉性はそれほど高くないため長期間の保存には向いていません。できるだけ早めに飲み切ることをおすすめします。

● 代用方法② 水を含ませたキッチンペーパーを詰める
キッチンペーパーを折りたたんで帯状にし、くるくると巻いてコルクのような形状に整えます。軽く水で湿らせたらしっかりと絞ってからボトルに詰め込みます。湿らせることでキッチンペーパーが空気を通しにくくなり多少の密閉効果が期待できますが、水分が多すぎるとワインに水が入ってしまう恐れがあるため、しっかりと絞ってから詰めるのがポイントです。

● 代用方法③ ペットボトルに詰め替える
残っているワインを容量の小さなペットボトルに移し替えることで、ボトル内の空気との接触面を減らし、酸化の進行を抑えることができます。詰め替える際は、できるだけ容器の口元までワインを満たし、空気が入る余地を減らすのがポイントです。ワインの量が少ない場合は、容器を軽く押しつぶして空気を抜き、真空に近い状態にしてからキャップをしっかり閉めて保存しましょう。

 

ワインの栓の代用方法をいくつか紹介しましたが、コルクや代用品では完全な密閉は難しく、時間とともに酸素がボトル内に入り込み酸化が進んでしまう可能性もあります。手軽で一時的な対処としては有効ですが、風味をしっかりと保ちたい場合は、やはり密閉性に優れた専用のワインキャップやストッパーを使用するのがおすすめです。

ワインキャップ「プルテックス アンチ・オックス」がおすすめ

実際に使ってみて、これは良い!と実感したのが、スペインのワインアクセサリーメーカー、プルテックス社の「アンチ・オックス」というワインキャップです。

このキャップの魅力は、なんといっても他の製品と比べて圧倒的に手間がかからないところ。真空タイプのワインストッパー(バキュバン社など)は価格は手頃ですが、毎回シュポシュポと空気を抜く作業が必要で「酔っているとシュポシュポが面倒」「真空になったかわからない」というちょっとしたストレスが生じがちです。その点、アンチ・オックスはボトルにただ被せるだけ。それだけでしっかり密閉され、空気の侵入を防いでくれる優れものです。

シリコン素材でできているため、しっかりと口部分に密着し空気の侵入を防いでくれます。さらに、内部にはカーボンフィルターが搭載されており、ワインの酸化を促進する揮発性成分と酸素の接触を抑えてくれます。これにより、抜群の鮮度キープが実現します。

「どのボトルがいつ開けたやつだっけ?」というあるある問題も、アンチ・オックスなら解決。キャップの上部には開封日を記録できるマーカーが付いていて、飲みかけワインが複数本並んでいても一目で管理できるようになっています。日常的にワインを楽しむ方にはもちろん、ワイン好きな方へのちょっとしたギフトにもぴったりの実用性の高いアイテムです。当店でも日々使用していますが、今のところヘタってきた様子も全くなく使えています。ワインのキャップをお探しの方は是非!

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味が落ちてしまったワインの活用方法

残み残した量や飲むペースによっては、適切に保管していても風味が損なわれる前に飲み切るのが難しい場合もあるでしょう。もし風味が落ちてしまい、そのまま飲むにはおいしくないなと思っても色々な活用方法があります。

● 料理の味付けのアクセントに

赤ワインは、肉料理の煮込みやソースに加えることでコクと深みを与え、本格的な仕上がりになります。ただし、量が多すぎると酸味が立ちすぎてしまうことがあるため、適量を心がけることが大切です。一方、白ワインは日本酒と比較してフルーティで華やかな風味を持ち、少量加えるだけでも料理に華やかさを添えてくれます。特に魚介類との相性が良く、仕上げにふりかけることで香り高く上品な印象に仕上がります。

● ホットワイン/サングリアとして楽しむ

風味が落ちてしまったワインには、香りや甘みを加えることで十分に美味しくいただくことができます。冬の定番としておすすめなのがホットワイン。シナモンやクローブなどのスパイスを加えて火にかけ、ハチミツやオレンジジュースで甘さを調整すれば、身体を温めてくれほっとする一杯に仕上がります。また、アルコールが飛ぶため、比較的お酒が苦手な方でも飲みやすくなります。

暑い季節にはサングリアがおすすめです。こちらもスパイスやフレッシュフルーツを加えて風味を補う点は一緒で、氷を入れて冷やすと爽やかな飲み口が楽しめます。ホットワインもサングリアも、赤・白・ロゼすべてのワインでアレンジが可能です。

● ワイン塩を作る

しばらくワインを飲む予定がない場合や保存が難しいときには、ワイン塩として加工してしまうのも一つの手です。赤ワインで作るワイン塩は風味が豊かで、料理の仕上げにひと振りするだけで彩りも香りも際立つ調味料になります。ステーキやグリル野菜などに添えると、味わいに奥行きが加わります。

作り方はシンプルで、目安としてワイン2:塩1の割合が基本です。まずワインを鍋で煮立ててアルコールを飛ばし、そこに塩を加えて、弱火でじっくりと水分を蒸発させます。水分が飛んでサラサラになれば完成です。簡単に作れて保存も効くうえ、料理の見た目も華やかになるので、日々の食卓にちょっとしたアクセントを加えたい方におすすめです。

まとめ

ワインは、必ずしもその日のうちに飲み切らなければならないものではありません。適切に保存すれば、数日にわたってじっくりと味わうことができます。たとえ風味が落ちてしまっても、調理やアレンジによって美味しく再活用することも可能です。そもそもワインは、開栓した瞬間からゆるやかに変化していく「生きたお酒」。その移ろいを感じながら、最適なタイミングで味わうこともまた、ワインの醍醐味のひとつです。

 

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