定説を覆した宮崎の奇跡、都農ワイン
宮崎県児湯郡都農町に位置する都農ワイン。標高150mの丘の上にあり、太平洋の日向灘を望むそのロケーションは、広がるエメラルドグリーンの海と青空が美しい絶景を提供してくれます。
ふわっと心が軽くなるようなこの場所で、都農ワインは新たな歴史を刻み続けています。
南国での挑戦、定説を覆す精神
1953年、当時19歳だった永友百二さんが始めた果樹園が都農ワインの起源です。「雨が多い南国で果樹栽培は不可能」という定説を覆し、百二さんは試行錯誤を重ねてブドウ栽培を軌道に乗せました。
その精神を受け継ぎ、都農町全体で新たな挑戦としてワイン作りをスタートさせたのが第三セクターの都農ワインです。
温暖な土地でのブドウ栽培を成功させるため、独自の工夫が随所に見られます。
台風や雨の多い気候にも負けない防風林の植樹や雨よけトンネル、さらに地層を生かした土壌管理で、都農町ならではのブドウ作りが実現しました。
冒険家と職人、二人三脚の挑戦
設立当初から都農ワインを支えているのが社長の小畑さんと工場長の赤尾さん。小畑さんは清涼飲料水メーカーを辞めてワイナリーの設立に参画。
大学時代から登山に没頭し、青年海外協力隊でボリビアに滞在、さらに会社員時代はブラジルに駐在するなど、大自然に対する理解と適応力を養ってきました。
その冒険心あふれる性格が、温暖な土地でのワイン作りという挑戦を可能にしています。また、メカ好きな一面も持ち、日本のワイナリーには珍しい最新設備を導入するなど、革新的な取り組みを行っています。
一方、工場長の赤尾さんは地元宮崎県出身で、19歳の時に第三セクターのワイン技師として都農ワインに参加。自分で釣った魚を捌いて寿司を握るほどの職人気質で、畑の土壌管理から醸造まで幅広く手掛けています。
2006年にはオーストラリアのワイナリーに派遣される日本代表の醸造家に選ばれるなど、その実力は国内外で認められています。「30年やってるけど、毎年”あぁしたい、こうしたい”と欲求は尽きないですね。」と語る赤尾さんの情熱が、都農ワインの品質を支えています。
都農でしか生まれないワイン
雨や台風の多い環境で培われたブドウは、南国特有の芳醇な香りを持つワインへと生まれ変わります。
特にキャンベルアーリーを使用した辛口ロゼワインは、「都農のソウルワイン」として親しまれ、その美しいバラ色とフレッシュな味わいで多くの人を魅了しています。
都農ワインは、土地の特性を最大限に生かし、日本でのワインづくりの可能性を広げています。
都農町の自然と人々の情熱が詰まった一杯を、ぜひこの地で味わい、町の魅力を体感してください。