農業を通じた地域の活性化が生むワイン
長野県東御市に位置する「ヴィラデスト ガーデンファーム&ワイナリー」。千曲川を登った先に広がるその場所は、色とりどりの花々と香り豊かなハーブが風に揺れ、訪れる者を迎え入れてくれます。
標高850mに広がるブドウ畑からは、北アルプスの雄大な景色が一望でき、まるで自然と一体となったような気持ちにさせてくれます。
この素晴らしい景色の中で、ワインづくりが行われているのです。ヴィラデストのワイナリーは、まさに自然と共に生きる場所。訪れた際には、澄み渡った空気の中、心が洗われるような清々しさを感じることができました。
玉村豊男さんがこの地に魅了された理由が、実感として伝わってきます。
玉村豊男さん、情熱を注ぎ込むワイン
ヴィラデストを運営する玉村豊男さんは、1991年にこの地に移住し、1992年からブドウの栽培を開始、2003年にはワインづくりを本格的にスタートさせました。玉村さんの理念は、ワインづくりを通じて地域の活性化を目指し、自然との共生を大切にすること。
さらに、彼のエッセイ「料理の四面体」では、食の深い考察が展開されています。特に「イギリスのローストビーフ」と「日本のアジの干物」の共通点について触れた部分が印象的でした。
異なる文化の食材が、いかにして「美味しく食べる」という行為につながるのかを、軽やかに解き明かしています。このエッセイを読みながら、食事はその土地の文化や風土を色濃く反映し、自然と一体であることを改めて感じました。
そして、ヴィラデストで味わうワインもまた、この土地の恵みが詰まっており、玉村さんの言葉が実感として伝わる瞬間です。
世界に通用するワインをつくる
ヴィラデストのワインづくりを担当する小西超さんは、映画「ウスケボーイズ」でも話題になった、シャトーメルシャンの醸造長を務めた浅井昭吾氏に師事し、「日本でも世界で戦えるワインが必ずできる」という思いを胸に、日々ワインづくりに励んでいます。
小西さんが目指すのは、地域の特色を反映しつつ、世界にも通用するエレガントなワインです。
千曲川のほとりに広がる畑は、日照時間が長く寒暖差が大きいため、ブドウ栽培に最適な土地です。この土地で育まれたブドウは、ヴィラデストのワインに鮮やかで滑らかな味わいを与え、飲む人々に清々しさと心地よさを届けます。
美しい自然の景色とともに、彼らのワインを味わうと、まるでその地の自然と一体となったような気持ちになります。
ヴィラデスト、未来への展望
ヴィラデストのワインは、単なる飲み物としてのワインなのではなく、玉村豊男さんの自然との共生の思想や、小西さんの情熱が込められた作品です。
ワインづくりを通じて、地域の活力を高めるだけでなく、持続可能なライフスタイルの実現にも貢献します。ヴィラデストのワインがどのように進化していくのか、その未来に期待が膨らみます。
若手で営業責任者を務める、青島さんには鎌倉も来ていただきまして、30代半ばの彼のような若手が千曲川沿いでどんな新しい動きを魅せてくれるのか、その点も見どころです。