樹齢80年のブドウの樹を受け継ぎ次の世代へ
山梨県甲州市塩山駅から車で10分ほどの場所に位置する「駒園ヴィンヤード」。
このエリアには、かつて養蚕で栄えた古いお屋敷が多く残り、どこか懐かしさを感じる風景が広がります。
その中で、長い歴史を持つ駒園ヴィンヤードは、地域とともに歩み続けています。
1952年に五味葡萄酒株式会社として創業し、2019年に近藤修通さんが引き継ぎ、新たなスタートを切りました。
若手の挑戦を支えるワイナリー
駒園ヴィンヤードでは、古い建物を活かしながら最新機材を導入し、進化を続けています。その中で特筆すべきは若手育成への取り組みです。
「ワイン作りは1年に1回しかできない。若いうちから経験を積むことが重要」と考える近藤さんは、新入社員に果汁を分け与え、自由に醸造を体験させています。
「昔から受け継がれてきた土地と自然に自分が関わるのは次の世代につなぐまでの”ほんの一瞬”。傲慢な気持ちでやっていると、先代にも次の代にも失礼」と語る近藤さんの哲学が、若手育成の背骨となっています。
土地と自然を生かしたワイン作り
フラッグシップワイン"Tao"の名は、中国哲学の「天地自然の理」に由来します。駒園ヴィンヤードでは草生栽培を実践し、雑草や微生物の力を借りて土壌を豊かにする自然派のアプローチを採用。
また、香りを付けないニュートラル(香りなどを付けないタイプのもの)な酵母を使用し、ブドウ本来の味わいや畑の個性を最大限に引き出しています。その結果生まれるワインは、滋味深く日本の食卓にもぴったりの味わいです。
過去と未来をつなぐ使命
駒園ヴィンヤードの畑には、樹齢80年を超える古いブドウ樹も存在します。この貴重な樹から収穫されたブドウで作られる特別なワインは、収量が確保できる年にのみリリースされます。
「代々受け継いできたバトンを持って次の世代へ走る。その営みが自分の仕事」と語る近藤さん。
土地の恵みと人の情熱が詰まった一杯を、ぜひ駒園ヴィンヤードで味わい、次の世代へつながる物語を感じてみてください。