センスあふれるワイナリー
長野県東御市に位置する「Rue de Vin(リュードヴァン)」は、美しい千曲川沿いの「千曲川ワインバレー」にあります。この地域には、多くの実力派ワイナリーが集まり、まさに「Rue de vin(フランス語で"ワイン通り")」といった感じのエリア。
少し丘を登った場所にある「Rue de Vin」は、洗練されたエレガントなデザインの建物で、入口には濃い空色のルノー車が停まっており、訪れる人々を歓迎してくれます。
ワイナリーに併設されたカフェレストランもおしゃれで、建物のデザイン同様に、ラベルからワインのスタイルまで、洗練された美しさが感じられます。
小山さんの土、そして土地への愛
「ブドウにとっての土の中は、人にとってのお腹の中と同じなんだよ。」小山さんは畑を案内してくださった際、こう教えてくれました。健全な土作りが、良いワインを生み出すためには欠かせないと考える小山さんは、2006年にこの地で畑を開墾し、土壌作りから始めました。
もともと荒廃していた林檎畑が、彼の手によって蘇り、少しずつ地域の信頼を集めていきました。150人以上の地権者と協力し、土地ごとに手をかけてブドウ畑に変えていく小山さんの努力は、まさに計り知れません。土地との深い絆が感じられる彼のワイン作りは、まるで我が子を育てるような愛情が込められています。
また、小山さんは畑の隅にヤギを飼う計画も立てており、そのヤギたちからチーズを作ることを楽しみにしています。「仕事は楽しく誇り高いものでなくちゃね」と言う小山さんの言葉が示すように、彼のワイン作りに対する情熱は多岐にわたり、地域の循環型農業を実現させようという意欲に満ちています。
健全な土壌から生まれる洗練の味わい
「Rue de Vin」のワインは、健全な土壌で育てたブドウから生まれます。小山さんの信念に基づき、土作りに力を入れ、収穫後に絞った果汁の色は、非常に美しく、添加する酸化防止剤(亜硫酸塩)の量もわずか。
そのワインはとてもエレガントで洗練された味わいに仕上がります。使用するブドウ品種は、シャルドネやピノノワールなどの欧州品種で、赤ワイン、白ワイン、本格的なスパークリングワインと多彩なラインアップを展開しています。
小山さんのワインは、彼自身の「カッコ良さとエレガントさ」を体現した、まさに手作りの芸術作品です。
次世代へ繋がる、御堂地区の未来図
小山さんの言葉で印象的だったのが、「世界で戦えるワインづくりっていうのは、日本ワインを海外で売ることじゃなくて、日本には日本でつくった美味しいワインが充分あるから、海外から買わなくていいと思えること。」
この言葉が示すように、小山さんは、日本のワインが世界に通用する品質であると信じ、その価値を広めることに情熱を注いでいます。
その情熱は、今後の取り組みにも色濃く表れています。現在、隣接する御堂地区では、新たに27haもの広大な圃場が開発中で、小山さんもこの地区に新たな畑を設ける予定です。
新しい圃場では、IoTや機械化を活用し、作業の効率化を図ると共に、同地区のワイナリーと共同で使える設備を設置する計画も進行中です。
地域との共生を大切にしながら、事業として成立させるための強い意志を持つ小山さんの今後の展開が見逃せません。