長野県
丘の上 幸西ワイナリー
長野県塩尻市片丘地区。近年ワイン用ブドウの栽培地として注目されるこの場所で、メーカー勤務を終えたご主人が、奥様と二人、丁寧にブドウを育て丹精込めて醸し、真っ直ぐでキレイなワインを創っていらっしゃいます。
アルプスを望む丘の上で、夫婦二人三脚
長野県塩尻市片丘地区にある「丘の上幸西ワイナリー」(こうにしワイナリー)。塩尻駅から車で約10分、アルプス山脈を望む山麓線「アルプス展望しののめの道」沿いに位置します。
この地域は近年、ワイン用ブドウの産地として注目を集めており、シャトーメルシャンの畑が広がる中、幸西ワイナリーもその一角にあります。
メーカーの技術職を経てワインづくりへ
オーナーの幸西義治さんは広島県出身。学生時代はワンダーフォーゲル部所属。
大学教授からの「山が好きな、おまえにはエプソンだ!」の勧めで、技術職としてセイコーエプソンに勤め始め、塩尻市に移住したことが、この土地との縁の始まりでした。
塩尻観光ワインガイドとして活動する中でワインへの興味を深めた幸西さん。
その後、長野県主催のワイン生産アカデミーや塩尻ワイン大学で専門知識を学びました。
特に塩尻ワイン大学は4年制で、ブドウ栽培から醸造、経営に至るまで実践的な学びが得られる場です。
「新しいことを学ぶのが楽しい」と語る幸西さんは、57歳で畑を借りてブドウを植え始め、61歳でワイナリーを設立しました。
ブドウと向き合う日々
夫婦二人で手が行き届く0.5haの畑では、メルローやカベルネフラン、シャルドネなど5品種を栽培しています。
「ブドウ栽培はじっくり観察することが大事」と語る幸西さん。その姿勢は、健全で力強いブドウを育む礎となり、ワインにも反映されています。
「自然は人間の思い通りにならない」という考えを持つ幸西さんは、若い頃からの山登りで培った大らかさでブドウと向き合っています。
その考え方が自然への尊敬となり、丁寧な栽培につながっています。
自然の恵みを生かした美しいワイン
幸西ワイナリーのワインは、真っ直ぐでキレイな味わいが特徴です。
特にシャルドネやソーヴィニヨンブランを使った白ワインは、爽やかな酸味とスムーズな飲み口で、多くのファンを魅了しています。
「たまに、“どれがオススメですか?”と聞かれるんですが、人それぞれですからね、その人が美味しいと思えばそれが一番おいしいんです。」と語る幸西さんの言葉には、ワイン作りへの深い愛情と、飲む人への優しさが感じられます。
塩尻の自然に抱かれ、夫婦で進めるワイン作り。その温かさと誠実さが詰まった一杯を、ぜひ塩尻の丘の上で味わってみてください。