勝沼の父が紡ぐ、日本のワイン文化
山梨県甲州市勝沼町に佇むイケダワイナリーは、創業者の池田俊和さんが1995年に設立した家族経営の小さなワイナリーです。
勝沼インターを降りると、甲州街道沿いの通りに点在するワイナリーの一つとして姿を現します。なんだか存在感がすごい。
ブドウの絵が描かれた外観と、訪れる人々を迎える看板犬のラブラドール。その暖かな雰囲気の裏には、真摯に築き上げてきた28年の歴史と情熱が宿っています。
哲学が宿る一筋の美味しさ
「ワインなんてそんなに簡単に売れるもんじゃない」と初対面で語られた言葉は、ワイン作りへの厳格で真摯な姿勢を物語っています。
1995年の設立以来、勝沼という土地に根ざしながら、一貫して手作業で年間約5万本のワインを生産。
その味わいは一切の妥協を許さず、雑味のない上品な仕上がりと筋の通った風味が特徴です。鋭い眼差しと確固たる信念が、そのままワインの味わいに反映されています。
勝沼の地を大事に
イケダワイナリーのワインは、勝沼の土地の歴史と風土を映し出しています。特に、白ワインは地元農家が育てた甲州ブドウのみを使用し、その中には代々受け継がれた畑も多く含まれます。
「ワインは自分と同じDNAを持った自分の子供」という言葉に象徴されるように、ブドウ畑は単なる原料の供給地としてではなく、勝沼の文化そのものとして大切にされています。
この深い愛情が、勝沼の地を感じさせるワインの味わいに織り込まれています。
フランス人も唸る美味しさ
醸造所や貯蔵庫には、細部まで行き届いた管理が施されており、整然と並ぶ樽はストイックなこだわりを象徴しています。
自宅で試した赤ワイン「セレクト」は、樽香とビロードのような口当たりが際立つエレガントな逸品でした。
また、日本在住のフランス人からも「イケダのワインは味もコスパも最高」と称賛されるほど、そのワインは国内外で評価されています。背景には、地元勝沼への深い愛情と、丁寧なワイン作りへの情熱が宿っています。