
海と大地に抱かれたワインリゾート
新潟駅から電車で揺られ、越後線の終点・内野駅で下車。タクシーで日本海へ向かい、野菜畑が広がる道を進むと、やがて現れるのが「新潟ワインコースト」です。
そこにはカーブドッチを中心に、個性豊かなワイナリーが集まり、ホテルやスパ、カフェなどの施設も併設された一大ワインリゾートが広がっています。
畑の間を吹き抜ける潮風、洗練された建物、そして温かく迎え入れてくれる人々。そのすべてが、訪れる人を非日常へと誘います。


地元と世界をつなぐ味わい
カーブドッチの歴史は1992年、創業者・落さんが「ワイナリーリゾートを作りたい」という思いから始まりました。
元は防砂林だった開けた土地に目をつけ、ワインづくりと観光を融合させた場所を築いたのです。
開業当初はウェディング事業が主軸で、施設の設計もお客様を迎え入れる前提で作られています。そのため、貯蔵庫や地下セラーまでもが美しく、まるでワインの世界を旅するような体験ができます。
何もない田園地帯に、ここまでのリゾートを描き、実現した創業者の発想力と行動力には驚かされます。
多彩なワイン、砂地の恵み
カーブドッチのワインづくりは、他にはないマーケットインの発想から生まれます。
リゾート地として幅広い層のお客様が訪れるため、誰もが楽しめるよう、多様なワインをラインナップ。カジュアルに楽しめる「FUNPY」シリーズ、本格派向けの「セパージュ」シリーズなど、それぞれに明確なコンセプトがあり、どんな人でも自分に合った一本に出会えます。
カーブドッチのワインは、サラッとした口当たりと果実の凝縮感が特徴的。これは砂地の土壌によるものです。
訪問時、大雨が降った後でも畑の土はさらさらとしており、手に取ると指の間からこぼれ落ちるほどの軽やかさ。この感触が、そのままワインの口当たりに反映されていると聞き、まさに土地の個性が詰まった一本だと感じました。
カーブドッチでは、美味しさだけでなく、「カーブドッチらしさ」を追求することを大切にしているのだと、醸造担当の草間さんが話してくださいました。


未来へ続く、広がる事業展開
カーブドッチはワインづくりに留まらず、新潟県内や東京での飲食事業、さらにはクラフトビールの醸造まで手がけています。
砂地の畑に適したブドウ品種・アルバリーニョの果皮を使ったビールは、ワインともビールとも異なる新たなジャンルの味わい。
創業から30年以上経った今も、常に新しい試みに挑み続ける姿勢が、カーブドッチの魅力です。社員一人ひとりの自由な発想と情熱が、このワインリゾートをさらに発展させ、訪れる人々に新たな感動を届けていくのでしょう。