
クッキーから始まった、小さなご褒美時間
Kilnを知ったのは、近所のカフェでいただいたクッキーがきっかけでした。香ばしく焼き上げられた生地にほどよい塩気、ザクッとした食感—すべてが絶妙で、一口食べた瞬間にファンになりました。
それ以来、育休中の私にとって、Kilnのパンや焼き菓子は特別なご褒美に。ママ友と一緒にInstagramで出店情報をチェックし、買いに走るのが楽しみの一つになりました。
そんな大好きなKilnとコラボが実現!「ワインの時間をもっと楽しくする焼き菓子を」との想いから、白ワインに合うクッキーと赤ワインに合うクッキーの開発が始まりました。お互いのこだわりをぶつけ合いながら試作を重ね、ついに自信作が完成。2025年に完成したばかりの新工房を訪れ、その想いを伺いました。
早朝の台所から生まれたKilnの世界
Kilnさんは、男の子二人の母でもあります。初めての子育ては想像以上に大変で、「このままずっと自分の時間が持てないのでは…」と悩んだ時期もあったそうです。そんな時、子どもが起きる前の早朝に焼き菓子を作ることで、少しずつ自分の時間を取り戻していきました。
友人宅への手土産として持参したお菓子が大好評で、次第に「販売してほしい」と頼まれることが増えていきます。
そして7年前、飲食店を営む友人の「こんなに美味しいなら売りなよ!」というひと言が背中を押し、本格的にKilnとしての活動をスタート。
Kiln(キルン)とは、英語で「窯」、ラテン語で「台所」を意味する言葉。「母でも妻でもなく、自分自身でいられる場所」として、この名前をつけたそうです。日々の忙しさの中でも、自分らしさを大切にしながら歩んできた道のりが、この名前に込められています。
天然酵母とシンプルな素材が生む個性
Kilnの焼き菓子やパンは、自家製の天然酵母を使用し、じっくりと時間をかけて焼き上げるのが特徴です。甘さのバランス、ザクザクとした食感、ほどよい塩気——すべてが感覚を大切にしながら作られた一品。
こだわりを尋ねると、「自分が食べて美味しいと思うものを作ることだけ」とシンプルな答えが返ってきました。万人受けを狙うのではなく、自分が本当に納得できるものを追求する。
だからこそ、Kilnのクッキーには独特の食感や塩気のアクセントがあり、一度食べると忘れられない味わいになるのでしょう。
「だから、私のクッキーが好きじゃない人もいるんです」と笑うKilnさん。しかし、それが逆に“超コアなファン”を生み出す理由になっています。「気に入ってくれる人に買ってもらえれば、それでいい」。そんな信念を持つ姿勢が、Kilnの魅力をより際立たせています。


これからも変わらない、Kilnのスタイル
小さな子どもを抱えながらも、自分のやりたいことを貫くことは決して簡単ではありません。しかし、試行錯誤を重ねながらも、Kilnさんはブレることなく自分のスタイルを大切にしてきました。
2025年に新工房を構えた今も、目指すのは「自分が本当に美味しいと思うものを作り続けること」。そこに妥協はなく、これからも一つひとつ丁寧に、心を込めた焼き菓子やパンを生み出していくのでしょう。
Kilnのクッキーやパンは、ただの焼き菓子ではなく、作り手の想いが詰まった特別な一品。ワインとともに、そんな温かな味わいをぜひ楽しんでみてください。