北海道

白糠酪恵舎

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北海道・白糠の恵みをチーズに込めて

イタリア仕込みの技と哲学

ミルクの風味を最大限に活かす

白糠酪恵舎では、毎朝3キロ離れた牧場に自ら足を運び、新鮮な生乳を受け取ります。運搬の際、ミルクを揺らさず、できるだけ静かに運ぶことがチーズ作りの第一歩。

特に冬の朝は真っ暗な中での作業ですが、澄んだ空気の中で感じる季節の移ろいが、この地でのチーズ作りの醍醐味でもあります。また、手に取りやすい価格で提供するために、一切の無駄を省き、生産の効率化にもこだわっています。

そんな井ノ口さんが作るチーズは、イタリアらしくミルクの風味がしっかりと感じられるのが特徴。

例えば「リコッタ・サラータ」は、フレッシュチーズのリコッタを塩漬けし、1ヶ月以上熟成させたもの。そのままだと塩味が強めですが、料理に“ミルキーな塩”として活用すると、素材の味を引き立ててくれます。

白糠酪恵舎が地元イベントに出店する際には、お豆にすりおろして振りかけることもあるそうです。これをヒントに、日本ワイン店じゃんの角打ちでは、マッシュルームの薄切りにオリーブオイルと柚子胡椒を絡めた上に、たっぷりとリコッタ・サラータを削って提供。ワインとの相性も抜群。

熟成が生む、奥深い味わい

個人的におすすめしたいのは、「ロビオーラ」というチーズ。イタリア語で「赤くなる」を意味する「ロビオーリ」に由来するこのチーズは、熟成が進むにつれて表面が赤みを帯びていきます。塩水で2日おきに表面を洗いながら熟成させることで、リネンス菌による独特の香りと、むっちりとした食感が生まれます。

塩気もしっかりと効いており、旨味のピークは短いものの、その奥深い味わいが魅力。ワインはもちろん、日本酒との相性も抜群です。

また、イタリアの伝統チーズ「プロボローネ」もぜひ試してほしい一品。「チーズステーキ」として食べるのが定番ですが、焼き加減が難しく、どう角打ちで提供するか試行錯誤中。

チーズの持つポテンシャルを最大限に引き出す方法を探るのも、井ノ口さんのチーズ作りの醍醐味。

白糠酪恵舎のチーズは、ただ単に「美味しい」だけではなく、北海道・白糠という土地の風土、職人の哲学、そしてイタリアで培われた技術が融合した逸品。とにかく、まずは味わってみてほしいです。