北海道
ドメーヌ・アルビオーズ/
フィールド オブ ドリームス
ワイナリー
地元を見つめる、若き醸造家のワイン
森のワイナリー
森の中にぽつんとある、ブドウ畑とワイナリー。 周りを囲むのは見上げるほど背の高い木々。それが北海道・仁木町にある「DOMAINE HARBIOSE(ドメーヌ・アルビオーズ)」です。
隣町の余市にある「Field of Dreams Winery(フィールド オブ ドリームス ワイナリー)」と同じオーナーが手がけるワイナリーで、
ドメーヌ・タカヒコの曽我貴彦さんとの縁がきっかけで始めたのだそうです。
北海道のイベントで出会い、「おいしいのに聞いたことがないな」と思って調べてみると、
まだ比較的新しいワイナリーとのこと。
どんなワイナリーなんだろう、と気になって訪れてみました。
余市に戻ってきた若者が作るワイン
迎えてくれたのは、若い男性。まだ20代だという宇生さんは、現在は2つのワイナリーの醸造を担っています。
「なんとなく、ブドウやワインに関わろうかなって」。宇生さんは、余市生まれ余市育ち。札幌でサラリーマンをしていましたが、Uターンしてきたそうです。お祖父さんがナイアガラやデラウェアを栽培していたこともあり、ブドウは昔から身近な存在だったのだとか。
話していて感じたのは、そのエネルギッシュさと行動力。
余市という土地には、経験豊富な名だたる醸造家たちが集まっています。しかも、若い人はほとんどいない。普通なら尻込みしてしまいそうですが、「しつこいなって言われても、どんどん聞きに行っちゃうんすよ」とにっこり。醸造のアドバイスをもらっている貴彦さんには「昨日も4時間くらい話聞いてもらってました」とのこと。
偉大な先達たちに囲まれながら、畑に出て、ワインを造る日々は「毎日すごい楽しい!」そうです。
地元・余市の未来を見つめて
印象的だったのは、宇生さんの「余市愛」。
余市は、日本ワインの産地としてどんどん注目されている場所。 国内外から人が集まり、新しいワイナリーも増えています。けれど、宇生さんはその状況に少し複雑な思いも抱えていました。
東京や海外、目線は外へと向きがち。作り手も、地元出身者は2人しかいないそうです。
そんな中、宇生さんが見ているのは「ワイン産地としての余市」というより、生まれ育った「地元としての余市」。ワインだけではなく、余市で暮らす人たちの未来も考えていました。
「やりたいことがないっていう若者に、ワイン造りって面白そうって思ってもらえたらいいなって」地元の若い人たちが、外へ出ていかなくてもいいように、戻ってこられる町にしたい。ワイナリーも、地元の子どもたちが職業体験できるような場にしたいと考えているそうです。
土地を大事にすること。土地に根付く人や文化を大切にし、その場所に根を張ること。
なんだか、ワインのテロワールと似ているな、と感じました。
身近な感覚をワインに
アルビオーズの醸造では、白ワインは樽発酵と
ステンレス発酵を使い分けています。野生酵母で発酵させ、亜硫酸は少量のみ。ノンフィルターで仕上げることで、うまみやブドウ本来のおいしさをそのまま残しています。
特に、ナイアガラは香りが強く、一度使うと設備に香りが残ってしまうため、他の品種とは設備を分けているのだそうで、香りや味わいへの繊細なこだわりが伝わってきます。
目指しているのは、日本らしい出汁感やうまみのある味わい。「おばあちゃんの漬物みたいな感じ」そんな身近な感覚を、ワインで表現したいのだそうです。
2026ヴィンテージからは、いよいよ
宇生さん主体のワインになっていくとのこと。
どんなワインになっていくのか、これからがすごく楽しみです。